フィッシュアンドチップスに使われた魚である、ニシンとタラについて調べてみました。今回はまず”ニシン”の歴史から。 中世から近世のヨーロッパでは、海洋での争いごとが絶えず、しばしば戦争の原因にもなりました。特にオランダと英国の間では、ニシンの漁…
前回、イギリスを代表する国民食、”フィッシュアンドチップス”について書かせていただきました。冷凍技術や鉄道輸送網の発達、そしてトロール漁業の進化によって、魚の供給と揚げたジャガイモの取り合わせが、イギリスの庶民の間で浸透し始めます。それは19…
エディーズ・フィッシャーショップ ノーマン・スタンフィールド・コーニッシュ ( 1919 – 2014) 英国生まれの画家 次の”教えてアガサ・セミナー”に向けて、下調べ中に出会った資料でこの絵を見つけました。 絵は上の風景を描いたそうです。19世紀、ロンドン…
二か月前、二回のセミナーを終えての虚脱状態からようやく復帰しました。次回、通算第15回目は5月28日㈯、神戸市灘区の“あすパーク”で行います。 他の会場でも行っていますが、ここはホーム会場のようになっています。 取り上げる作品は、『オリエント急行の…
コロナワクチン接種の三回目終了後、副反応で発熱してしまいました。 本調子にもう一息かかりそうです。布団の中でアイデアを練っています。
次回は(なにやら予告になってしまいそうですが、予定です。)、アガサ作品に通底する、イギリスの食生活に焦点を当てようと画策中です。 不味いと評判の英国料理ですが、そういった固定観念は捨てないといけないようです。「知ることは、知らないことを知る…
1962年発表、ミスマープルシリーズ第8作目の作品です。 この年はキューバ危機の起こった年で、世界中が緊迫した毎日を送っていたことでしょうね。 作品名はイギリスの詩人アルフレッド・テニスン(Alfred Tennyson, 1809年 - 1892年)の作品、”シャロットの…
人の趣味嗜好というものは、なかなか頑固なもので一旦気に入ったものであれば、他人も好きに違いない、という思い込みほど迷惑なことはありません。人間観察が鋭敏なアガサにとっても、それは気になるようで”鏡は横にひび割れて”でも、辛辣な描写が見て取れ…
『南アフリカ共和国』 南アフリカ共和国(現在)が、ヨーロッパの国からあからさまな干渉を受け始めたのは17世紀からで、オランダ系白人(のちにボーア人と呼ばれます)が入植したことに始まりました。 ヨーロッパの国が東を目指し大西洋を南下、さらにイン…
毎回、セミナー後は参加いただいた方々にお礼状を書いていますが、今回はコロナ・オミクロン株の蔓延するなか、会場の衛生管理にご尽力いただいた施設の方にまず、お礼状を書きます。はやく、収束してほしいですね。
昨日の第14回教えてアガサ・セミナーの風景です。 コロナ・オミクロン株が猛威を振るうなか、主催者の公民館の方の予防対策を経て、無事終えることが出来ました。毎回思うことですが、参加者の方々の男女比は1対9が平均です。 女性の方がたの熱心さに比べ…
先週に続いて、今月二回目の教えてアガサ・セミナーを終えました。 今回は初めての会場ですので、初対面の方々ばかりです。とは言うものの、ミステリー好きな方は、好奇心旺盛なのでしょう、始まる前から”この男は(私のこと)、どんな話をするのだろう?”と…
12日のセミナーの動画をアップしました。素人の悲しいところで、セミナー開始したとたん、カメラのことをすっかり忘れてしまい、休憩をはさんだ後半からの動画となってしまいました。 ポールマッカートニーのウィング時代のヒット曲、”Mary had a little ram…
昨日、粉雪舞う天候ながら20名弱の方々にお集まりいただき(定員18名様)、無事読書会”教えてアガサ”の第13回目が終了いたしました。 年末から、今回のセミナー(来週には第14回目が待っています)に向けて、準備に大わらわでした。つい、ブログの更新が怠り…
『南アフリカ共和国』 No.8 page19 幸いなことに、植民地の人間にはさまざまタイプがある。 南アフリカで事業をしていた男ということにしておけば、どんな人々の間に入っても怪しまれることは無い。 Fortunately there were all sorts and types of colonies…
作品「杉の柩・SAD CYPRESS 」は、1940年の発表でポアロシリーズとしては、18作目です。お茶やサンドウィッチなどが効果的な小道具として使われますが、バラもそのひとつです。 このバラの名前をご存じかな? ゼフィライン・ドローインですよ。ポアロはつぶ…
20日のセミナーは初めての会場、神戸清風公民館です。会場も初めてなら来られる方も初対面の方々が多いと思います。やはり”オリエント急行の殺人”を、お話させていただこうと思っています。
〈教えて!アガサ〉 今年10月に12回目の“教えて!アガサセミナー”を終えて、やれやれと思っていたのに、もう来月には次のセミナーが待っています。しかも一週間の間隔で2回です。素人なのに有難いことです。 会場が違いますので、出し物(落語会ではありませ…
前回までに、神戸市灘区一帯の扇状地で明治時代にお茶の栽培がおこなわれていたことをお伝えしました。 次の図は、今までにご紹介したものと同じ地図ですが、左の部分には川沿いに赤い矢印を記しておきました。これは川(旧生田川)に沿って据え付けられた水…
前回まで、明治維新以降に神戸ではお茶を作り加工そして海外(主にアメリカ)へ輸出していたお話でした。 一方、徳川幕府が瓦解し、路頭に迷った藩士に勧められたのは現在の静岡県牧之原台地での茶の生産でした。これが近代まで静岡県の茶生産の繁栄をもたら…
前回は明治初期において、絹織物と茶が日本の輸出品目の中心であったというお話でした。さて、当時の茶の製造はどんな工場で行われたのでしょう? 調べてみると、こんな写真に到達いたしました。 現在、神戸の観光地の一画である、旧居留地にこういった茶の…
以前、作品「杉の柩」を取り上げた時(2020年4月5日)、お茶の歴史について簡単に述べさせていただきました。今回から数回にわたって、我が町・神戸とお茶の歴史をたどっていこうと思います。 よろしくお付き合いいただければ、嬉しい限りです。 明治元年 18…
政治情勢とか、インド政府の事、自分たちの国の経済問題、ウオール街の危機などが話題に上りました。僕はイギリス人とはあまり親しくしないようにしているのです。なにしろ頑固ですからね。でも大佐は気にいりましたよ。 (被害者・ラチェットの秘書 マック…
アガサはイギリス人ですから、舞台はやはり西ヨーロッパが中心となります。 けれど、オリエント急行の殺人(1934年発表)では、物語のほとんどは大雪の降り積もる旧ユーゴスラビア、周りは何も見当たらない東ヨーロッパの、ヴィンコヴィチとブロッドの間で進…
来年1月、初めての場所(神戸市立清風公民館)でセミナーを行います。どんな方々が集まるか全く分かりませんので、こういうケースでは皆さんが一番知っておられるであろう作品を取り上げるのが一番でしょう。『オリエント急行の殺人』どうしてもこの作品を避…
次回(13回)とその次の回(14回)のセミナーでは、ともに会場が違い他に色々と事情もあり、作品も初期に取り上げた作品と、前回取り上げた作品になる予定です。13回は”オリエント急行の殺人”14回は”鏡は横にひび割れて”になります。 ということで年が明けて…
シリア アレッポ駅 シリアの冬の朝の5時。アレッポ駅のプラットホームには鉄道案内に〈タウリス急行〉という営々たる名で掲載されている列車が止まっていた。 It was five o’clock on a winter’s morning in Syria. Alongside the platform at Aleppo stoo…
アガサ・クリスティーの大英帝国 東 英紀 筑摩選書 すべてはこの一冊から始まりました。学生時代より読み重ねてきた(乱読)、アガサ作品を、系統的に整理するという観点を教えてくれた本です。アガサの大量の著作を観光という視点から俯瞰し、時代ごとにそ…
今回のセミナー当日は季節外れの暑さでした。そんな中、私の拙い話に我慢して聞いていただいた方々へ、お礼状を書きました。今週の前半を使って、何とか皆さんにお礼状を書きあげ投函しました。ホントにありがたい限りです。 次回は来年一月、一週間の間隔を…
男性である私がこの犯人(女性)の殺人動機が理解できると言えば、おそらく同じ立場に立った場合の女性からは、顰蹙を買うことでしょう。犯人が殺人まで犯すことになった理由の一つとして、被害者も女性であったことに起因するのかもしれません。 無意識に行…