作品「杉の柩」よりバラの名前
作品「杉の柩・SAD CYPRESS 」は、1940年の発表でポアロシリーズとしては、18作目です。お茶やサンドウィッチなどが効果的な小道具として使われますが、バラもそのひとつです。
このバラの名前をご存じかな? ゼフィライン・ドローインですよ。ポアロはつぶやいた。(本文・302ページ)
Do you know the name of this rose? It is Zephyrine Drouhin, my friend.(本文 ・214ページ)
それはつるバラで、ゼフィライン・ドローインです。いい匂いのピンクの花をつけます。トゲはありません。(本文・368ページ)
It was a climbing rose - Zephyrine Drouhin. It bears a sweetly scented pink flower. It has no thorns. (本文・257ページ)
この作品の犯人は指にけがをした理由にバラの棘で傷ついたと証言しますが、そのバラは棘の無い種類でした。ここからポアロの推理が始まります。
さて、ゼフィライン・ドローインというバラはどんな花なのでしょう?ピンク色をした棘の無いバラで、玄関に植えられるケースも多いようで、香も良いようです。
バラが描かれた名画といえばボッティチェリの”ビーナスの誕生”が有名です。
一説にはアフロディア(英語でヴィーナス)が誕生する際、大地からバラの花をつけた枝が飛び出したという神話から、バラはヴィーナスの花であると言われているそうです。ヴィーナスの右側で風に吹かれて飛んでいるのがバラです。