2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
アガサキリスティーの作品を調べていると、思わぬ歴史や事柄を発見します。作品「杉の柩・1940年発表」では、お茶がキーポイントになります。茶の歴史を探る過程で、19世紀の後半にはわが町神戸にも、茶園が存在していたことが分かりました。 次の表は明治5…
1890年生まれのアガサクリスティーにとって、19世紀に絶頂を迎えた祖国イギリスは、どのように映っていたのでしょう? ボーア戦争、第一次世界大戦、そして第二次世界大戦と、1976年にその生涯を終えるまで三回の戦争を目のあたりにして、彼女の作品にはどの…
複雑な思いを胸に含んだ三人の男女は、ナイル川を上るカルナック号に乗船します。 遊覧航行ながら、不穏な空気が流れる船内では、各自に与えられた部屋に全員落ち着きます。 歴史的エジプト遺産が残るアブシンベル付近で、とうとう事件が展望室で起きてしま…
第一次大戦後、ベルギーからの避難民の設定として名探偵エルキュール・ポアロは生まれました。彼はアガサ作品のほぼ6割を占めます。 1940年代がポアロの最盛期とすると、それ以降の主役はミス・マープルです。 イギリスの典型的な田舎町、”セントメアリーミ…
今回は殺人事件の現場となったナイル川の概略をお伝えします。 イラストの下の方(上流)から上の方(下流)へと、大河が流れるのですが、ポアロ たちは下流から上流へと河を登るツアーに出かけます。この船上で事件が起きます。 アスワン・カタラクトホテル…
作品”ナイルに死す”は、イギリスの郊外にあるカントリーハウス(主に富豪が住む豪邸)から始まります。 金持ちのリネットは友人ジャクリーヌから恋人のサイモンに職を与えて欲しいと、懇願します。やがて、リネットは親友の恋人と結婚しエジプトへ新婚旅行へ…
彼女の作品”スタイルズ荘の殺人”が、世に出たのは1920年、持ち込んだ出版社になかなか認められず、あのアガサも新人作家として苦労された模様です。 次のグラフは年代ごとのアガサが発表した作品の数です。 この年より二年前、1918年に第一次世界大戦は終了…
近世において、オスマントルコはエジプトの宗主国でしたが、イギリスは東洋の植民地へ通じる運河を領土に持つエジプトへ近づきます。 1882年エジプト国内に起こった内乱(ウラービー革命)を収めるためイギリスは軍事介入します。同年9月13日、革命を鎮圧し…
私たちはコメディーフランセーズに連れていかれ、・・・中略・・・ 私はサラ・ベルナールを観た。(アガサ・クリスティー自伝 上巻 ) アガサ・クリスティーのことを調べるため、自伝を読んでいるとフランスでサラ・ベルナールの講演を観たという記述に目が止まり…
私のアガサ・セミナーは準備に3~4ケ月ほど必要としますので、年間2~3回が限度です。けれど、通算11回を経験した現在いわゆる持ちネタが7個(7作品)になりましたので、全く新規の方からお声が掛っても、以前よりわずかな準備で対応できるようになってきまし…