鏡は横にひび割れて

第13回 教えてアガサ・セミナーについて。(動画)

12日のセミナーの動画をアップしました。素人の悲しいところで、セミナー開始したとたん、カメラのことをすっかり忘れてしまい、休憩をはさんだ後半からの動画となってしまいました。 ポールマッカートニーのウィング時代のヒット曲、”Mary had a little ram…

先行、テキスト公開 10月9日 『鏡はよこにひび割れて』Part-5 最終ページ

男性である私がこの犯人(女性)の殺人動機が理解できると言えば、おそらく同じ立場に立った場合の女性からは、顰蹙を買うことでしょう。犯人が殺人まで犯すことになった理由の一つとして、被害者も女性であったことに起因するのかもしれません。 無意識に行…

先行、テキスト公開 10月9日 『鏡はよこにひび割れて』Part-4

ある時代のアメリカ人にとって「先祖のふるさと」は、イギリスでした。19世紀中旬から末にかけて、ジャガイモ飢饉による飢餓から逃れるために、新大陸へと移住した先祖の地を訪れることは、多くのアメリカ人にとっての夢だったのでしょう。 アメリカ人女優…

先行、テキスト公開 10月9日 『鏡はよこにひび割れて』Part-3

第一次世界大戦、第二次世界大戦とヨーロッパの諸国は国力の低下の時代に入りました。それは、英国とて例外ではありません。国土が戦場にならなかった新興国・アメリカとの経済力の差は、如実になってきます。 1930年代を境として、英国よりも国力が上回った…

先行、テキスト公開 10月9日 『鏡はよこにひび割れて』Part-2

パート2のテキストは、ミス・マープルの人物像に焦点をあてた一枚となっています。 ポアロのモデルが第一次世界大戦後のベルギーからの難民でしたが、ミスマープルのモデルは、アガサの自伝によりますと、自分のお祖母さんに似ているということです。 けれど…

先行、テキスト公開 10月9日 『鏡はよこにひび割れて』Part-1

次回のアガサセミナーのテキスト原案がようやく出来上がりました。 毎回、本番1か月を切ると胃が痛くなります。回を重ねるごとにテキスト作りが遅く なっているような気がしています。どうしたもんでしょう? まず一枚目は、アガサ作品に登場する主だった探…

鏡は横にひび割れて・マリーナ グレッグが見た名画とは

第5章 P83 原文P71~72 ヘザーバドッコクは、自分の得意話を終わりかかっているところだった。今度のマリーナの反応は機械的ではなかった。彼女の視線が階段の中途あたりの壁にくぎ付けにされているみたいだった。大きく目を開いており、顔色も青ざめていた。…

イギリスにあこがれたアメリカ人女優 鏡は横にひび割れて・原文より

第二次世界大戦が終わり、消耗しきったヨーロッパに比べ本土が戦場とならなかったアメリカは、西欧諸国に復興援助を与えるなど、国力の差が顕著となります。次の表は各国の一人当たりのGDPを表した表です。 これを参考にしますと、1912~1913年あたりを分岐…

第12回 教えてアガサ・セミナー

次回”教えてアガサセミナー”の、日取りが決まりました。(場所は未定です。) 第11回まで、おなじみの探偵エルキュールポアロが活躍する作品をテキストに使用していましたが、今回はミス・マープルを取り上げます。作品は”鏡は横にひび割れて”です。夏の暑さ…

参考資料 

作品”鏡は横にひび割れて”では、殺人の動機がマープルを悩ませます。しかし、被害者が良かれと思って行った行動が、犯人に一生の悔やみと苦しみを与えてしまった事実にマープルはたどり着きます。 19世紀後半から20世紀にかけて、ヨーロッパやオーストラリア…

ジョージ王朝

作品 ”鏡は横にひび割れて・1962年発表”は、二回の世界戦争を経て、19世紀から20世紀初頭に全盛を誇った英国の社会が、徐々に変化していく有様が詳しく表されています。次の文章はミスマープルが変わりゆく英国社会に感慨深く思う場面です。 セントメアリー…

人生がまるで一方通行みたいなものよ。

アガサクリスティーの作品の魅力はもちろんトリックやストーリーの斬新さや思いもつかない結末にあるのですが、深く考え込んでしまうほどの“人間描写”にもあると思います。 それはまあ、残酷なほどの辛辣さを含むときも度々です。矛先が同性である”女性”、同…