先行、テキスト公開 10月9日 『鏡はよこにひび割れて』Part-2

 パート2のテキストは、ミス・マープルの人物像に焦点をあてた一枚となっています。

 ポアロのモデルが第一次世界大戦後のベルギーからの難民でしたが、ミスマープルのモデルは、アガサの自伝によりますと、自分のお祖母さんに似ているということです。

 けれど、ロッキングチェア・ディテクティブ(揺れ椅子に座ったまま推理をする探偵)ほどには、彼女の体は衰えてはおらず(もちろん頭脳は明晰!)、現場に足を運び蓄積したゴシップや事実を重ね合わせて、事件の真相に迫ります。

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 アガサより30才ほど先輩の、コナンドイル(シャーロックホームズを生み出した)の作品には、アガサより濃厚に、大英帝国全盛時代の香りが感じられます。産業革命はイギリスに世界の工場の名を提供しましたが、ホームズ作品にはまだ車の姿は見られず、それはアガサ作品まで、待たねばなりません。