2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

クイズ アガサは知っている! ① 解答編

正解は、②ミス・マープルです。 このセリフが出てくるのは「鏡は横にひび割れて・The Mirror crack'd from side to side」1962年の作品です。ミスマープルものとしては、第8作目。当時はキューバ危機の真最中でした。さぞや、世界は緊張していたことでしょう…

クイズ アガサは知っている! ①

アガサクリスティーの作品の素晴らしいところは、もちろんトリックや誰もが思いつかない犯人でもあるのですが、彼女の人間を見る・観察する、慧眼にあると思います。 以下の文章はある作品に出てくるセリフです。少々長い一節ですが、この登場人物(女性)が他…

イギリス貴族の生活。④

〇 19世紀末から20世紀初頭における英国貴族の生活 19世紀のイギリスはまさにその絶頂期を迎えた時代でした。 ヴィクトリア女王(在位 1837年ー1901年)の時、英国の植民地は、カナダ・オセアニア・アフリカ・インドを含むアジアに広がりました。 以下は、イギ…

こぼれ(た)話 "オリエント急行の殺人"の時代背景

1934年に発表された名作“オリエント急行の殺人”では、ラチェットという”名”のアメリカ人資産家が殺されるのですが、探偵ポアロは車内の乗客一人一人に尋問を試みます。 会話の中には当時の世相や、ポアロの(アガサの?)イギリス人やアメリカ人に対する感情が…

イギリス貴族の生活。③

イギリス貴族の上下関係は厳しく、当主は使用人の名前や素性などには関心を持たず、細々としたことは全て、執事や秘書の仕事でした。 昨日の夜、ここに入ってきた使用人は誰ですか? 部屋係のメイドがベッドカバーをめくりに来たと思いますけど。 何というメ…

イギリス貴族の生活。②

貴族の館 (カントリー・ハウスと呼ばれていました。)では、主人に付き添い様々で雑多な用事を請け負うハウスキーパーと呼ばれた女性使用人がいました。彼女の立場は女性使用人の全てを取り仕切る責任者でした。 さらに重要な役割を果たすのがコックです。度…

イギリス貴族の生活。①

クリスティー女史の時代は、英国ヴィクトリア朝の時代でした。20世紀の初頭に起こった戦争(ボーア戦争)によって、さすがの帝国の勢力も陰りを見せ始めます。 ですが、多くの使用人を抱える貴族の生活はまだまだ健在です。 この作品にもそういった生活ぶりを…

アクロイド殺し 登場人物と相関関係

イギリスの片田舎、緊急の電話で駆け付けた医師、シェパード氏は名士アクロイド氏の死体に遭遇します。謎が謎を呼ぶ事件を、たまたま居合わせた探偵・ポアロが驚愕の真相を解き明かします。 登場人物の関係は少し複雑なので、図式化しました。2018年に作成さ…

第4回セミナーのちらし

去る2019年12月4日㈬に、第4回セミナーを六甲勤労市民センターで行いました。 題材とテーマは「アクロイド殺し」、「ジャガイモが生んだJFKとスヌーピー」でした。次回からは、この時の資料を中心に取り上げていきます。よろしかったら一読ください。

映像化されたアガサ作品 🎦 オリエント急行の殺人・1974年

『オリエント急行殺人事件』は、1974年のイギリス・アメリカ合衆国のミステリ映画。 監督はシドニー・ルメット、主演はアルバート・フィニー。(ポアロ役) 大変、原作に忠実に思えました。アルバート・フィニーが癖の強いポアロを演じていましたが、閉じ込め…

参考資料について

アガサクリスティーについて、作品(翻訳・ときには原書も)を読んで色々と考えるのですが、それ以外にも参考にする書物はたくさんあります。 早川書房発行の月刊誌”ミステリーマガジン”も大切な蔵書です。No.323号(1983年3月)から買い始めNo.601号(2006年3…

ABC殺人事件より 鉄道の歴史 運河・馬車の時代 ③

話は少々横道にそれますが兵庫の運河と、明治政府が手掛けた鉄道の始まりについて、ほんの少しだけ。 日本の運河というと、北海道の小樽が有名ですが、わが街神戸にもその昔平清盛がそのきっかけとなる“兵庫の津”を造成しています。 津というのは本体”港”を…