2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

神戸とお茶のお話 その④ 最終回

前回までに、神戸市灘区一帯の扇状地で明治時代にお茶の栽培がおこなわれていたことをお伝えしました。 次の図は、今までにご紹介したものと同じ地図ですが、左の部分には川沿いに赤い矢印を記しておきました。これは川(旧生田川)に沿って据え付けられた水…

神戸とお茶のお話 その③ 

前回まで、明治維新以降に神戸ではお茶を作り加工そして海外(主にアメリカ)へ輸出していたお話でした。 一方、徳川幕府が瓦解し、路頭に迷った藩士に勧められたのは現在の静岡県牧之原台地での茶の生産でした。これが近代まで静岡県の茶生産の繁栄をもたら…

神戸とお茶のお話 その②

前回は明治初期において、絹織物と茶が日本の輸出品目の中心であったというお話でした。さて、当時の茶の製造はどんな工場で行われたのでしょう? 調べてみると、こんな写真に到達いたしました。 現在、神戸の観光地の一画である、旧居留地にこういった茶の…

神戸とお茶のお話 その①

以前、作品「杉の柩」を取り上げた時(2020年4月5日)、お茶の歴史について簡単に述べさせていただきました。今回から数回にわたって、我が町・神戸とお茶の歴史をたどっていこうと思います。 よろしくお付き合いいただければ、嬉しい限りです。 明治元年 18…

名作”オリエント急行の殺人”を生んだ背景 ①

政治情勢とか、インド政府の事、自分たちの国の経済問題、ウオール街の危機などが話題に上りました。僕はイギリス人とはあまり親しくしないようにしているのです。なにしろ頑固ですからね。でも大佐は気にいりましたよ。 (被害者・ラチェットの秘書 マック…

アガサ作品に登場する地名 ア行 ヴィンコヴィチ

アガサはイギリス人ですから、舞台はやはり西ヨーロッパが中心となります。 けれど、オリエント急行の殺人(1934年発表)では、物語のほとんどは大雪の降り積もる旧ユーゴスラビア、周りは何も見当たらない東ヨーロッパの、ヴィンコヴィチとブロッドの間で進…