作品 ”鏡は横にひび割れて・1962年発表”は、二回の世界戦争を経て、19世紀から20世紀初頭に全盛を誇った英国の社会が、徐々に変化していく有様が詳しく表されています。次の文章はミスマープルが変わりゆく英国社会に感慨深く思う場面です。
セントメアリーミードもその中心の一画だけはまだ以前の面影を残していた。アン女王朝様式やジョージ王朝様式の建て方のこじんまりとした家々もそのままだった。
(本文10頁)
So Mary Mead, the old world core of it, was still there. The Blue Bore was there,and the church and the vicarage and the little nest of Queen Anne nad Gerorgian house, of which hers wa one.
ハノーヴァー王家のジョージ4世(在位1820~1830)は記録によると、常識外の遊び人で放蕩の極みを尽くした人物だそうです。しかし、そんな国王に率いられたにもかかわらず大栄帝国は発展を続けるのでした。
この作品で重要なキャラクター・アメリカの俳優マリーナ・グレッグ役を、エリザベステーラーが演じた作品が残っています。題名は”クリスタル殺人事件・1980年公開” マープル役はアンジェラ・ランズベリー(1925年~)が好演しています。