英国の食生活 その3

 フィッシュアンドチップスに使われた魚である、ニシンとタラについて調べてみました。今回はまず”ニシン”の歴史から。

 

 中世から近世のヨーロッパでは、海洋での争いごとが絶えず、しばしば戦争の原因にもなりました。特にオランダと英国の間では、ニシンの漁獲をめぐって数々の争いが見られます。

 

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 17世紀のオランダはカトリックのスペインから独立を勝ち取り、国家としての全盛期を迎えます。経済的な繁栄は、北海に群れになって現れるニシンによって得られました。
大量に収穫されたニシンは塩漬けにされ、専用の樽に漬け込まれました。

 

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 この「ニシンの塩漬け」は、強力な輸出商品としてオランダに寄与したそうです。
ニシンの捕獲に使われた漁船は「バス船」と呼ばれ、ニシンの海上(船上)での加工を可能にしました。

 

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 レンブラントと並ぶ17世紀、オランダの画家であるフェルメールの作品“デルフト眺望”に描かれた(右端)船は、当時のバス船を確認できる貴重な一枚でもあるそうです。

 

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今回の参考資料
魚で始まる世界史 越智敏之 平凡社新書
フェルメールと西洋美術の巨匠たち 八坂書房