1962年発表、ミスマープルシリーズ第8作目の作品です。
この年はキューバ危機の起こった年で、世界中が緊迫した毎日を送っていたことでしょうね。
作品名はイギリスの詩人アルフレッド・テニスン(Alfred Tennyson, 1809年 - 1892年)の作品、”シャロットの妖姫・1833年発表”からの引用です。
「鏡は横にひび割れぬ 我が命運も尽きたり」というのが原文だそうです。
さて、題名の原文は、Mirror cracked from side to side ですが、よく混同されるのはsideとend、図でご説明いたします。
長方形の紙(コピー用紙など)の長いほうの辺がサイドライン、短いほうがエンドラインとなります。この紙の端を二つ折りにした場合(エンドラインどうしを合わせる)英語では、make ends meetと表現し、”つじつまを合わせる”という意味にもなるそうです。
さて、縦長に置かれた鏡が(姿見)、横にひび割れる状態を思い浮かべた場合、サイドからサイドへと割れることは容易に想像は出来ます。
そういえば、ビートルズの名曲の一つ、Lady Madonnaにも曲中にこの歌詞が出てきます(最初から16秒あたり)。マザーグースを下敷きにしたこの曲は、たくさんの子供たちを世話するお母さんについて、歌った曲です。ビートルズらしい聴き触りの良い曲です。