2019-01-01から1年間の記事一覧

現代に息づくマザーグース。♪  ④ How many miles to Babylon ?

まずは、次の動画をご覧ください。 宝探しの歌.wmv 懐かしいと思われた方も多いと思います。NHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」で流れた、宝探しの歌です。子供の時に聞いた時、もの悲しさと一緒に歌いたくなる覚えやすいメロディーに魅了されました。み…

現代に息づくマザーグース。♪  ③ Rain, rain, go to Spain  ☂

Rain, rain, go to Spain. あめ あめ スペインへ行ってね Never show your face again.ぜったい ぜったい 帰ってこないで オードリーヘップバーン主演のマイフェアレディー (1964年)では、ロンドンの下町で暮らす花売り娘・イライザ(ヘップバーン)をヒギンズ…

セミナーの様子 2019年3月30日 

第1回 教えて!アガサ 3月30日 土曜日 六甲勤労センター4階にて テーマ:名作・オリエント急行の殺人を取り上げました 初めてのセミナー体験で、用意したテキストの内容の半分程度しか紹介できず、反省ばかりが残った回でした。ただ、自分が読み上げる内容を…

ラテン民族の性格と言ったほうが良いでしょう。

犯罪は憎しみに逆上して、気の狂った人間の仕業です。むしろラテン民族の性格と言ったほうが良いでしょう。 That is the act of a man driven almost crazy with a frenzied hate – it suggests more the Latin temperament. (オリエント急行の殺人より 鉄道…

現代に息づくマザーグース。♪  ② Can you make a cambric shirts?

映画・卒業 (1967年)より サイモンとガーファンクル スカボロフェアー ダスティンホフマンとキャサリンロスによる青春映画、卒業(原題はThe graduate・卒業生)で流れたスカボロフェアーは、サイモンとガーファンクルの出世作に思えます。 もともとはスコット…

現代に息づくマザーグース。♪ ① Mary had a little lamb. メリーさんの子羊

メアリーの子羊(Mary Had a Little Lamb)は、1972年にポール・マッカートニー&ウイングス(Paul McCartney & Wings)が発表した楽曲、及び同曲を収録したシングル。 ポールマッカートニーと、かっての妻リンダ(左) ウイングス2枚目のシングルとして、同年5…

名作 ”そして誰もいなくなった”と、マザーグース

作品では孤島に集められた10人の人間が、マザーグースの歌詞になぞらえて殺されていきます。過去の罪を背負った彼らは、仲間が1人ずつ消えてゆくに従って、お互い疑心暗鬼の坂を登っていきます。 この作品で使われたマザーグースは「Ten little Indians」で…

時間は偉大な治療者です。

しかし、私の母が良く言っていたように、時間は偉大な治療者です。 But Time, as my dear mother used to say, is a great healer. (書斎の死体 The Body in the Library 1942年の作品 ミスマープル・第2作目より) 辛いことも時が過ぎれば少しづつ忘れて…

そして誰もいなくなった And then there were none.

名作 “そして誰もいなくなった”は、1939年の作品です。世界は第二次世界大戦も真最中。世相を反映しているのか、この作品は終始位い雰囲気で話は進みます。 登場人物は皆、暗い過去を引きずり、罪を暴かれることに苛立つ彼らは一人また一人と、マザーグース…

人間は現実に直面しなければならないのだ。(鏡は横にひび割れて・より)

P10 第1章 No.1 人間は現実に直面しなければならないのだ。セントメアリーミードだって昔どうりではない。そう言えばある意味では、何もかもが依然と違ってきている。本当は自分が年をとってきたという、単純な事実のせいなのだ。 One had to face the fact …

参考にさせてもらった資料について。(オリエント急行の殺人)

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者: アガサクリスティー,山本やよい 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2011/04/05 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (28件) を見る Murder on the Orient Express (Poirot) 作…

なぜ、オリエント急行には、あらゆる国籍の人間がいたのか? その③

デュカプリオが彼女を連れて行った船室はアイリッシュダンスを踊る仲間宴を開いていました。けっして見栄えがする服装でない彼らはなぜタイタニック号に乗っているのでしょう? 船底に近い部屋で、(デュカプリオは階段を下りて部屋にたどり着いています。) …

なぜ、オリエント急行には、あらゆる国籍の乗客がいたのか? その②

次にご覧いただく動画は、おなじみ映画<タイタニック>の一場面です。デュカプリオがケイトウィンスレットを船底の客室で行われているパーティーに誘う場面。(2分19秒付近) ご注目頂きたいのは、ダンスシーンです。ほんの少ししか映りませんが、タップダン…

なぜ、オリエント急行には、あらゆる国籍の乗客がいたのか? その①

中東とヨーロッパを結ぶオリエント急行が国際列車とは言え、時期外れの時期に色々な国籍の人々が乗り合わせています。それには、事件の起きた場所が多いに関係しています。次にあげる表は、乗客の名前と出身地です。 ベルギー出身のポアロは別にして、アメリ…

アームストロング事件について③

当時アメリカの英雄を巻き込んだ誘拐事件は世間の注目を浴びることになり、愛児の奪還と犯人逮捕は大衆の願いでした。次の写真は当時のポスターで、情報を募る一枚です。 まだ20か月の幼児ですね。特徴として、Deep dimple in center of chin.あごの先にく…

それにあのミネラルウオーターときたらどうでしょう。

アガサの作品には、登場人物の名を借りて、自分(あるいは当時のイギリス人)の、考えや感情を表しているような文章に出会います。それは作品を離れても興味深く、20世紀初期ヨーロッパの様子がうかがえます。 P44それにあのミネラルウオーターときたらどうで…

アームストロング事件について ②

この作品は1934年に発表されました。時代はその5年前の1929年アメリカ・ウオール街から始まった世界恐慌に世界は翻弄されていました。 そんな中、一人の英雄が表れます。名をチャールズ・オーガスタス・リンドバーグ( Charles Augustus Lindbergh,)ニュー…

アームストロング事件について ①

オリエント急行には、観光シーズンとは言えない時期にも関わらず、ありとあらゆる国籍の人々が乗客として乗り込んでいます。(実際に大雪に道をふさがれるわけですから。) なぜそんな不自然な状況が生まれたのでしょう? 原文より Colonel Armstrong was an E…

当時の写真

イスタンブールを出る列車は当時の“フライングスコットマン”“20世紀リミティッド”などと比べても、世界で一番有名な列車でした。 イスタンブール・シルケジ駅 1890年ごろの駅舎 出発する列車と雪に覆われた列車 パリに向けてウィーンを出発するオリエント急…

ベルギーという国

アガサが誕生させた名探偵 エルキュール・ポアロは、ベルギー警察の優秀な警察官という、設定です。そのベルギーという国はヨーロッパの国家としてご多分にもれず、複雑な歴史を持ち、日本の約12分の1の面積に1141万人人々が暮らしています。 (2019年1月現…

オリエント急行の生みの親 ナゲルマ・ケールス ②

オリエント急行生みの親、ジョルジュ・ナゲルマケールスは1845年6月24日、ベルギーのリエージュで生まれました。1863年にリエージュ大学(フランス語版)に入学。 ナゲルマ・ケールス 1867年、ナゲルマケールスはアメリカ合衆国への旅に出ます。当時のアメリ…

オリエント急行の生みの親 ナゲルマ・ケールス ①

今回から2回に分けて、オリエント急行の歴史をご紹介します。 まずは、トカトリアンホテルの場面から。(本文27-28ページより) “This is an unexpected pleasure” said a voice behind him. The speaker was a short, stout elderly man, his hair cut en bro…

19世紀 イギリスの鉄道 客車

世界で初めて鉄道を発明したのはイギリスです。それは、18世紀にはじまる産業革命にも、多いに起因します。羊毛を基盤とした産業から、奴隷制度に裏打ちされた、アメリカ大陸からの綿織物へと移行するなか、鉄道は物資・製品を輸送するため重要な機関となり…

19世紀 イギリスの鉄道駅

🚂 19世紀中ごろ、鉄道発祥の地イギリスにおいて、蒸気機関車が発明されます。 しかしながら利用する階級は限られていました。 上流社会の人々は時代の先端を行く、交通機関を利用し、バカンスに出かけました。 当時の駅構内を表したイラスト。19世紀の鉄道駅…

〇 オリエント急行の生い立ち。シリア・アレッポ駅 (実在します) のシーンより。

”オリエント急行の殺人”の冒頭は、冬のシリアアレッポの駅から始まります。 プラットフォームには豪華な列車が、出発の時間を控え停車しています。 以下原文です。 It was 5 o’clock on a winter morning in Syria. Alongside the platform at Aleppo stood …

オリエント急行殺人事件、三つの視点。

オリエント急行の生い立ち オリエント急行とは果たしてどんな列車だったのでしょう? この鉄道には、ある一人のベルギー人の青年が関係していました。 リンドバーグ(アームストロング)事件とは? 小説の背景にはある有名アメリカ人の子息誘拐事件がモチーフ…

オリエント急行殺人事件とは。Murder on the Orient Expres.

1934年発表のエルキュールポアロが、謎に挑むポアロの8作目の作品です。 トルコ・イスタンブールからロンドンまでを結ぶ、蒸気機関車に曳かれた車両で起こっ た事件を、雪に閉ざされた車内でポアロの推理が冴えます。 私のブログでは、小説の謎ときには触れ…

セミナーについて。

今年に入ってから、”アガサクリスティーの原書講読会”と称してセミナーを開いています。 10名ほどの方々にお集まりいただき、クリスティーの作品を原書を使い、英語そのものだけでなく、作品から得られる文化、歴史を私なりに掘り下げみなさと共に、話し合う…

アガサクリスティーの作品年表。

アガサクリスティー作品年表 アガサクリスティーは生涯において、おもな長編小説は50作を超えます。私なりの作品年表を作りました。世界と日本での出来事を、併記しています。 二つの世界大戦に挟まれた時代と、その後1976年に亡くなるまでに、彼女自身の転…

英国推理作家 アガサクリスティーの作品は、いかがですか?

アガサクリスティーは1890年、イギリスはトーキーに生まれ、生涯を通じ60作を超える長編、150作以上の中短編並びに、数々の戯曲を残しました。 彼女の小説から得られる知識・教訓は数知れません。よろしければみなさんもご参考に。