今回から2回に分けて、オリエント急行の歴史をご紹介します。
まずは、トカトリアンホテルの場面から。(本文27-28ページより)
“This is an unexpected pleasure” said a voice behind him. The speaker was a short, stout elderly man, his hair cut en brossse. He was smiling delightedly. Poirot sprang up. “M Bouc” “M.Poirt”
M.Bouc was Belgian, a director of the Compagnie Internationale des Wagons Lits , and his acquaintance with former star of Belgian Police Force dated back many years.
「やあ、これは意外なところでお目にかかるもんですな。」と、背後の人物が言った。
声をかけたのは髪を短髪にした、背の低い、ずんぐりとした、年配の男であった。
嬉しそうに笑顔を浮かべている。
ポアロは飛び上がった。「ムッシュー・ブーク」「ムッシュー・ポアロ」ムシュー・ブークはベルギー人で、国際寝台車会社の重役の地位にあり、ベルギー警察でかって赫々たる名声をはせていたムッシュー・ポアロとは、ずっと前からの知り合いであった。