中東とヨーロッパを結ぶオリエント急行が国際列車とは言え、時期外れの時期に色々な国籍の人々が乗り合わせています。それには、事件の起きた場所が多いに関係しています。次にあげる表は、乗客の名前と出身地です。
ベルギー出身のポアロは別にして、アメリカ・イギリス・ロシア・ギリシャ・ハンガリー・スウェーデン・イタリア・フランスと、まるで国連の様相を呈しています。
本文にも、少々弁解がましく(アガサの立場では、ここにもヒントを提出しているつもりかもしれません。)、次のような文章があります。
Page 39 すべての人が集まる
All around us are people, of all classes,of all nationalities, of all ages. For three days, these people, these strangers to one another,are brought together. They sleep and eat under one roof,they can’t get away from each other. At the end of three days they part, they go their several ways, never , perhaps, to see each other again.
あらゆる階層、あらゆる国籍、あらゆる年齢の人々が集まっている。三日間は、この人たち、お互いに赤の他人の人たちが仕方なく一緒に旅をしているのです。一つ屋根の下で眠り、食べ、しかもお互いに離れることが出来ないのです。そして、三日間が終わると、みんな別れ離れになり、それぞれの道を行き、おそらく、二度と顔を合わせることはないでしょう。