鏡は横にひび割れて、より(P53 第3章 No.2)
「まあ、なんという言い方ですの?」
「そうではありませんか?それはともかくとして、あなたはパセリが夏の暑い日にバターの中に沈み込む深さからでも、推理できる人だ。私は前から感じていましたよ。シャーロック・ホームズがなつかしいですなあ。今ではもう時代遅れなのでしょうがね。それにしても忘れられない存在ですよ。」
“ That’s an outrageous thing to say! “
“ Isn’t it? However you can always make do with the depth the parsley sank into the butter on a summer’s day. I always wondered about that. Good old Homes. A period piece, nowadays, I suppose. But he’ll never be forggoton.”
1890年生まれのアガサ・クリスティーにとって、30才以上年上のコナン・ドイル(1859年生れ)は、どのような存在だったのでしょう? アガサが生れたころには、前後して『緋色の研究』(1888年)と『四つの署名』(1890年)を発表していたコナンドイルは彼の生み出した探偵シャーロックホームズが人気を博していました。
ビクトリア朝が絶頂を迎えていたイギリスはその成長と共に、都市の矛盾が現われていたころでした。