〈いなみ野学園での本番を前にして〉

いよいよ本番が3日後に迫ってきました。もう何回喋ったかわからない演目(アガサ作品)ですが、初めての大舞台に訳もなくびびっております。下調べをすればいいのに、つい違う資料に目が行ってしまうのは、宿題を前にした学生のようなものでしょう。

というわけで(どうゆうわけ?)、棚に鎮座した読みかけのミステリーに手が伸びてしまいました。

 

オックスフォード運河の殺人』は、イギリスのミステリー作家 コリンデクスター(1930-2017)、の傑作です。代表作に、「ウッドストック行き最終バス」、「謎まで3マイル」、「キドリントンから消えた娘」、「主任警部モース シリーズ」、などなど。

 


イギリスの交通網の発達の歴史は、ブリテン島中部での工業製品をリバプールまで運ぶ必要性から、発展しました。初期は馬に依る輸送でしたが、運搬量の増加からそれは運河を使用した船舶に取って代わられました。以降蒸気機関の登場によって蒸気機関車にその道を譲ることになります。

 

作品「オックスフォード運河の殺人」は、19世紀ホークスベリーからオックスフォードまでを繋いだ、オックスフォード運河を舞台にした作品です。いわゆる「ゆりかご探偵」の部類に属する小説ですが、過去には「時の娘」ジェセフィン・テイ 「成吉思汗の秘密」高木彬光 などの作品の系譜に属する傑作です。アガサ作品を愛するにつけ読書の幅が増えていきます。これもまたありがたいことです。

 

 

今回お世話になった資料は次の通りです。
オックスフォードの殺人」コリン・デクスター ハヤカワ文庫
国鉄道物語 小池 滋 晶文社