バートラムホテルのモデルは?
バートラムホテルはずっと昔からそこにあった。1955年にはこのホテルは1939年当時とそっくりになっていた。---中略--- 中に入ると、バートラムホテルに初めての人だったら、まずびっくりする。もはや消滅した世界へ逆戻りしたのではないかと思う。時代が後戻りしている。まるでエドワード王朝時代の英国なのである。
小説7~8頁
Bertram’s hotel has been there a long time. By 1955, it looked precisely as it had looked in 1939. Inside, if this was the first time you had visited Bertram’s hotel, you felt , almost with alarm, that you had re-entered a vanished world. Time had gone back. You were in Edwardian England once more. Page 1~2
作品ではバートラムホテルは、以上のような描写で表されています。実際のホテルをモデルにしたようですが、イメージに合致するホテルはどんなホテルでしょうか?
これは各自の想像のままに、思い浮かべるのが正解でしょうがここに一冊のアガサクリスティー作品を読むにあたって大変参考になる著書があります。
『アガサクリスティー百科事典 数藤康雄氏・早川文庫』著者は確か、イギリスまでアガサ女史に会いに行かれた方で、作品にまつわる多くの貴重なアドバイスが収められています。ぜひ一読ください。
この本では、バートラムホテルのモデルは、フレミングホテルあるいはブラウンズホテルでは?と、されています。
どちらもいかにもイギリス・ロンドンらしい趣を持ったホテルですね。
(写真・文章は、“ロンドンのホテル・旅名人ブックス 日経BP企画”に依ります。)
*一部8月30日の内容と重複する箇所があります。念のため