アガサの嘆き

セリーナ夫人は画家にはほとんど興味が無いどころか、芸術関係のことにはすべて興味を持っていなかった。

夫人は作家とか画家音楽家の類は、りこうで芸をする動物の一種だと思っている

本文24頁

 

Lady Selina had little interest in painters,

Or indeed in anything artistic. She regarded writers,

artists and musicians as a species of clever performing animals.

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 アガサ女史は他の作品にもこういった人間描写が見られます。(オリエント急行の殺人にもあったような・・)よほど、芸術に関心のない人に苦い経験があるのか、アガサ自身も作家ですから、きっとこういう人物に手痛い思い出があるのでしょう。


アガサ女史の人間観察は鋭い所があり、それは主にポアロではなく、ミスマープルの口を通して感じられます。