イギリス貴族の屋敷は「カントリーハウス」と呼ばれ、広大な敷地を郊外に占め多くの使用人の手で運営されていました。
広い室内は、豪華な装飾で飾られ、大英帝国の繁栄を表していました。
1840年に清との間に勃発した阿片戦争は、貿易の対価に使われていた銀の不足から、阿片を使って清から銀を取り返そうとしたことも、原因の一つでした。
後にイングリッシュガーデンと呼ばれる庭園は左右対称のパターンが採用され、プラントハンターと呼ばれる、“植物採集のプロ”が、多くの植民地に出向きました。
こういったいかにも英国らしい風景は、アガサ女史の作品には頻繁に登場します。
”アクロイド殺し”での舞台・カントリーハウスは、作品からも映像化されたビデオでも、それほど大規模な屋敷ではないように思えます。けれど、執事や秘書、女中によってこの屋敷が動いているのは、良く理解できます。