今回はA-4,
作品中でポアロとオリエント急行の重役ムシュー・ブークが、再開する場面からスタートです。
二人はお互いを“ムシュー”と、呼び合う仲なのですが、ミスターではないのは理由があり、ポアロはベルギー人という設定です。さらにはブークもベルギー人と作品では書かれています。ベルギーは、オランダ語・フランス語・ドイツ語を公用語として使用している国家なのです。
さらにアガサ自身も若いころパリに留学の経験がありました。もともと裕福な家庭に生まれた彼女でしたが、父親の死去にあたり家族そろってフランスへと移住することになり、パリでフランス語の教育を受けることになりました。”ムシュー”に限らず、アガサの作品にはフランス語がよく使われます。
Murder on the Orient Express (1974)
映画オリエント急行の殺人(1976年)で、ポアロとブークが列車に乗り込むシーン。