英国とボーア戦争 No.3
19世紀をまたいで数年間、南アフリカで行われた戦争は、鉱物資源(金・ダイアモンド)をめぐるボーア人と大英帝国の争いでした。しかし、アガサの自伝に見られるように、イギリス本国民にとっては、遠い戦争で関心も切羽詰まったものではなかったようです。
アガサクリスティー自伝より ボーア戦争のとらえ方
The Boer War I suppose, was the last of what one might describe as the ‘old war’, the wars that did not really affect one’s country or life. They were historic story-book affairs fought by brave soldiers and gallant young men. They were killed, if killed, gloriously in battle. More often they came home suitably decorated with medals for gallant feats performed on the field. It seems strange today to think that people - girls in particular - went around hanging out white feathers to young men whom they considered were backward in doing their duty by dying for their country.
思うにボーア戦争とは、いわゆる古い戦争とでもいえるものであったかもしれない。それはつまり、私たちの住んでいる場所や生活に影響を及ぼすものではなかったのだ。
勇敢な兵士や若者による昔話の世界の戦争なのだ。兵士たちはもし、戦闘で華々しく戦死した場合は戦場での勇敢な功績を示す勲章ともに帰還するのだ。
今にして思えば不思議な事なのだが、当時の人々(特に若い女性)が、兵士に向かって弱音を吐くな!と、鼓舞していたのだ。兵士たちは自らの国家の為に戦死することが当然と思われていたのだ。