日本の伝統文化を知る。”浮世絵” 第2回 セミナーより。その3 東海道五十三次 庄野

 歌川広重の有名な作品「東海道五十三次」は、江戸日本橋から京都三条大橋までの各地を描いた作品ですが、実際の宿場街は次のような位置になっていました。

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 数ある作品の中でも、個人的に好きな作品は「庄野」と「蒲原」です。今回は庄野に焦点を当てて、セミナー出席者の方々と、話し合いました。

 

 この作品は”庄野・白雨”突然降りだした夏の夕立に慌てる旅人たちです。

三人の旅人たちは坂を登り、籠をかく二人は雨を避けるために、坂を下っていきます。

 

This print is titled “Driving Rain at Shono”. Here, travelers have been caught in a sudden  summer cloudburst. Three make their way uphill, two of them carrying a man in a palanquin,while others dash down the slope,heading for shelter.

 

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左上 庄野の左に書かれている文字は白雨です。


 作品、左上には庄野の横に“白雨”と書かれています。季節の変化が潤沢な日本です。自然にまつわる言葉の豊富さは驚くばかりです。白雨とは、次のように説明されています。

 

白雨 はくう 
夕立。明るい空から降るにわか雨。雨脚が太く、日光をあびたり雨粒が空中で分裂したり、地面に強く当たるときに上がるしぶきが白く見えるために名付けられた。
( 雨の言葉 倉嶋厚原田稔 講談社学術文庫 )

 

次回は梅雨で始まる雨の言葉を拾い上げてみます。