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ポアロはそこで電報を読み上げた。
『タシカニフェルメール。ガスリー』
突然、ミス・ギルクリフトが、何かに弾かれたようにしゃべりだした。

ページ463

He held up the telegram and read.
“Definitely a Vermeer, Guthrie”
Suddenly, with electrifying effect,
Miss Gilchrist burst into speech  page 296

葬儀を終えて After the funeral より

 

作品 ”葬儀を終えて”は、1953年発表のポアロシリーズ第25作です。

事件は17世紀オランダの画家、フェルメールの作品が犯行の動機となりました。

今回は当時のフランドル地方に誕生した、画家と作品の背景についてです。

 

真珠の耳飾りの少女 オランダの画家 ヨハネス・フェルメール1665年あたり

フェルメールと言えば、やはりこの作品でしょうが、

 

    色々と調べてみると、不思議な絵画です。17世紀オランダに女性がターバンを巻く風習は無かったそうで、それはインドあたりの文化だったそうです。


 謎の答えは、当時オランダがおかれた歴史・環境にありました。長らくスペイン(ハプスブルグ家)に抑圧されたネーデルランド地方(現在のベルギー・オランダ)は、カトリックからの独立をかけ戦争をします。独立を勝ち取ったオランダと成しえなかったベルギーは、各々の道を歩みました。

 


 喜望峰を抜け航路を開拓したオランダは、西アジアから、やがてはるばる日本までやってきました。その途中、中東(現在のアフガニスタン)で得た、『青い鉱物・ラピズラズリ』が、インドの風習である少女のターバンを彩ることになりました。

 

 



 ちなみにスペインとの独立に活躍した火縄銃連盟が、レンブラントに依頼した絵画が名作『夜警』でした。


📚今回の参考書籍
名画で学ぶ経済の世界史 田中靖浩 マガジンハウス
これだけは知っておきたい岩石・鉱物図鑑 パイインターナショナル