ミス・マープルという人は、不思議なおばあさんで、イギリスの典型的田舎の村(セントメアリーミードという架空の村)に住み、日ごろは編み物に精を出すどこにでもいそうな、静かなおばあさんです。
けれど、一旦この村に怪しい事件が起きると、今までため込んだ村の噂話から事実を抜き出し、推理に没頭します。
さて、このミス・マープルモデルはいるのでしょうか? エルキュール・ポアロの場合は、第一次世界大戦終了後のベルギーからの避難民からヒントを得たということですが、彼女の自伝によりますと、ご自分のおばあさんがモデルらしいです。”アガサクリスティー自伝”に、おそらくこの女性ではないかと、思われる写真が載っています。
”綿のような白い帽子をかぶった”おばあさんという記述が作品に見られますが、まさにそんなイメージ通りですね。
今回参考にさせてもらった資料は以下の通りです。
アガサクリスティー自伝 乾信一郎氏訳・早川書房
アガサクリスティーの誘惑 芳野昌之氏著・早川書房